「歯髄保存治療」とは
歯の神経を残すための治療
歯の神経は専門用語で「歯髄」といいます。
歯髄は歯の神経だけでなく、たくさんの血管を含んでいて、歯の健康に大きな役割を持っています。
歯の神経を取ることによって、歯の寿命を大幅に縮めてしまうので、歯髄をできるだけ残すことは、歯の長期的な健康にとって、とても重要です。
しかし、歯に大きな虫歯ができて歯髄に達してしまった、怪我をして歯が折れてしまい歯髄が露出してしまった、など様々な理由で歯髄を除去しなければいけない場面があります。
そういった場面で歯髄を除去せず、歯の神経を残すために行う治療を「歯髄保存治療」といいます。
虫歯が大きく神経まで到達しているケースであっても、歯髄保存治療によって、神経を残すことが可能になり、当院では神経を取る治療はかなり少なくなりました。
歯髄保存治療のメリット
- 虫歯が神経まで到達していても神経を残せる
- 神経が残っているので、歯が長持ちする
- 歯の切削量が最小限に抑えることができる
- 治療に使用するMTAセメントは殺菌作用があるので、虫歯を再発させにくい
どのような症状に適しているのか?
歯髄保存治療をオススメするケース
- 詰め物の下の虫歯が神経に近接しているケース
- 歯に大きな穴が開いたケース
- 「虫歯が深く神経に達し抜歯」と診断されたケース
MTAセメントについて
MTAセメントとは
歯髄保存治療で使用している「MTAセメント」は、1998年以降に登場した新しい歯科治療用の材料です。
通常のセメントよりも、湿度の高いお口の中でも硬化しやすく、菌の侵入を防ぐのが優れた点です。
MTAセメントのメリット
- 強い殺菌作用があるので、患部の虫歯再発を防ぐこと
- 体の中に入れても悪影響の少ない、体にやさしい素材であること
- 硬化する際に膨張し、患部を隙間なく埋め、患部に細菌が入り込むのを防ぐこと
「歯髄保存治療」の流れ
- レントゲン検査
- 初回ご来院時に簡単なレントゲン検査を行い、患者さまのご要望をお伺いします。
そこで概ねの治療計画・期間・費用に関する情報提供を行います。
検討の結果、歯髄保存治療をご希望になられる患者さまに対しては、口腔内写真撮・CT撮影などの精密検査を行います。
- 治療開始
- お口の状態を確認後、歯髄保存治療を行います。
- 虫歯除去
- 無菌的に治療するためにラバーダムシート(治療する歯を隔離する方法)をかけて、マイクロスコープ下で慎重に虫歯の除去をします。
- MTAセメント填入
- 感染源を徹底的に除去した後、MTAセメントを填入します。精密な作業を要するので、マイクロスコープがないと厳しいです。
コンポジットレジン(樹脂)で裏層をして後日セラミック修復をしていきます。
- 治療終了
- セラミック修復を行い、審美的に美しい見た目にしていきます。
- 定期検診・メインテナンス
- 治療後、異常がないか定期的に検診をいたします。
「歯髄保存治療」の症例
症例:
詰め物の下の虫歯が神経に近接しているケース
初診時
見た感じは虫歯はありませんが、この金属の下で虫歯が広がっていました。
治療前
無菌的に治療するためにラバーダムシート(治療する歯を隔離する方法)をかけてマイクロスコープ下で慎重に虫歯の除去をします。
治療後
虫歯を除去した後に、患部にMTAセメントを填入したところです。この操作はマイクロスコープがないと厳しいです。ここからコンポジットレジン(樹脂)で裏層をして後日セラミック修復をしていきます。
治療内容 | 歯髄保存治療 |
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治療期間 | 1日 |
治療費 | 1歯あたり¥41,800(税込) |
治療の リスク |
治療後、お痛みが強く出る場合、神経が弱っているため除去が必要になります。 |
治療費・治療のリスクについて
歯髄保存治療
歯髄保存治療1歯あたり | ¥41,800(税込) |
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治療のリスク・副作用について
治療後、お痛みが強く出た際には、神経が弱っているため除去が必要な場合がございます。
歯の神経を取ることを
オススメするケース
歯髄を除去することが望ましい場合
以下のケースの場合には、歯髄を残すよりも神経を取ることをお勧めする場合がございます。
- 深い虫歯で、既に歯髄が死んでいる場合
- 歯髄が生きていても虫歯で炎症を起こし痛みを伴う場合
- 歯髄が生きていて痛みがなくても、残しても死んでしまうと判断した場合
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